ウィリアム・アダムスは、ご存じのように、、徳川幕府の外交顧問として活躍し、家康から横須賀の逸見に領地を与えられた日本最初のイギリス人です。航海中に暴風に遭い、九州の豊後(現在の大分県臼杵市)にかろうじて到着、ガリバーのモデルとも言われているそうです。三浦按針と名乗ったウィリアム・アダムスをたたえる「三浦按針祭観桜会」が今年も4月8日、県立塚山公園で開かれました。
(チューリップがささげられた供養塔の前で)
私が今年、ここに足を運んだのは、もうひとつの理由がありました。
それは、塚山公園は観音崎公園とともに、横須賀にあるふたつの県立公園のうちのひとつだからです。
神奈川県は昨年10月、「緊急財政対策」だとして、突如、県内23の県立公園について「委譲を含めた検討」を打ち出しました。
同じく県有施設である県営団地(221団地・1806棟・45310戸)についても、「検討」を打ち出し、団地の存続運動が起こりました。
県は、2013年度予算において、県有施設については、福祉施設の民間譲渡や県民利用施設の集約化・再配置をねらっており、その削減額は65億円を予定しています。
存続の取り組みがあった武道館や県営住宅は「現行運営の継続(運営改善)」とされるなど、運動の反映も見られました。ただし、「運営改善」とされた県有施設でも、「使用料値上げ」や「利用時間の短縮」など、県民の負担増や経費削減がねらわれているので、安心できません。
ところで、県立公園については、「委譲検討」のままであり、予断を許しません。
県知事が今年の2月18日に明らかにした「緊急財政対策の取り組み状況」で示された、県立公園23園についての今後の調整内容はといえば、
「市町との調整結果を踏まえて対応を検討(現行の指定期間が26年度までであることを踏まえ検討)」する、としています。
(「緊急財政対策の取り組み状況」の別表1 県有施設 《見直しのロードマップ》 参照)
すなわち、県は、26年度までに、塚山公園や観音崎公園を横須賀市に委譲させたがっているのです。
しかし、県有施設を「コスト」と見て、その負担を他に押し付けるのでは、押し付けられるほうの市も困るというものです。
私は、この日、野点のお茶をいただきながら、県立塚山公園保存会会長の秋元洋一さんとお話し、「県立塚山公園をこのままで存続させてほしい」と、みなさんが望んでいるということを強く感じました。
ニリンソウも見事に咲いていました。秋元さんたちが、草刈りのときに種を刈り取らないようにして、ここまで増やしてきたそうです。
お金にはかえがたい、県民、市民の大切なものを守っていくため、県と横須賀市の動向を今後も注視し、今のままで存続されるよう、働きかけていきたいと思います。