こどもと母親をめぐる3点とは、以下の項目1.2.3.です。
1 母子生活支援施設・横須賀グリーンハイムの廃止決定に際しての市の対応について
2 「子ども・子育て新システム」の問題点と、市の保育のあり方について
3 小児医療費助成制度の対象年齢引き上げについて
まず、1点目についてです。
1 母子生活支援施設・横須賀グリーンハイムの廃止決定に際しての市の対応について
(1)存続する方向での市の検討の有無について
市は、前回の議会、第1回定例会において、社会福祉法人横須賀市社会事業協会より、同法人が運営する母子生活支援施設「横須賀グリーンハイム」を廃止する、及び同施設に併設している「公郷保育園」を建て替える旨の報告を受けたとの一般報告をしました。この一般報告のなかで市は、母子生活支援施設の廃止に向けての今後の対応として、「入所者の処遇に配慮した自立を支援する」「養育不安母子家庭への支援施策の拡充を検討する」「在宅の母子家庭支援施策の拡充を検討する」との考えを示したわけですが、この検討のなかには、母子生活支援施設の存続を展望するものは何ら示されておりませんでした。
一方、児童福祉法 第二十三条 は、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は「看護すべき児童の福祉にかけることがあると認めるときは、その保護者及び児童を母子生活支援施設に入所させて保護する措置を採らなければならない。」としています。この法に沿って、市はこれまで、生活福祉課、児童相談所、こども健康課の健康福祉センター、婦人相談ホットラインなどの様々な部局、また、他の自治体からの、入所要請に対応してきました。今後も多々あるであろう、その要請に応える施設として、ひきつづき本市になくてはならないものだと、私は思います。
私は、前回の議会で示された市の方針には、納得がいきません。
事業者からの廃止の報告を受けて、存続する方向での検討はしなかったのでしょうか。
何度聞いても、市長は、明確に答えようとはしませんでした。こういうのを、はぐらかし答弁というのでしょうか。。。。
要するに、市長には存続させる気はないのだ、と受け止めました。
(2)施設に入所できずにいる母子への、早急で適切な対応について
ところで、現在、グリーンハイムでは、廃止方針のもと、新規の受け入れを止めている状況です。ですので、本来、この施設に入所することが一番安心で安全と思われる母子にとっては、いわば、廃止されたも同然の状況下に置かれていると言っても過言ではないと思います。児童福祉法 第二十三条 では、ただし書きで、「付近に母子生活支援施設がない等やむを得ない事由があるときは、適当な施設への入所あっせん、生活保護法の適用等適切な保護を加えなければならない」としています。市では、この施設への入所が一番適当と判断されるも、それがかなわなかった方たちへの対応を、どのようにしておいででしょうか。お答えください。
市長は、「市内に住居がある母子支援が必要な世帯については、育児支援、家庭訪問等の住宅での支援を実施している。また、住居がない母子については、緊急的に保護を実施し、児童相談所や生活福祉課等の関係機関と連携して住まいを確保するなどの支援を行っている」と答えました。
しかし、日常のきめ細やかなケアが求められる母子については、それなりの在宅支援や住居の手当てが行わたとしても、それで事足るかというと、そうではない、と思えてなりません。当該施設では、そのような母子のために特化された施設として、夜も警備員が常駐し、日中は、施設長はじめ複数の指導員が、たとえば、精神疾患を患う母親には薬を正しく飲む指導をしたり、こどもを放置してしまうなどの虐待傾向がみられる母親には児童相談所へカウンセリングを受けるために連れていくなどしており、施設なくして、いわば「丸ごと支援」ができるとは考えにくいからです。
(3) 施設の存続に向けて果たす市の役割について
ところで、運営事業者が廃止の結論を出したのは、決して、その必要性がなくなったからではなく、新築のための土地を確保できなかったことが大きなネックになったとのことです。当該建物は、耐震性を高める課題を抱えており、特に、昨年の3・11以降、この課題を重視せざるを得なくなったといいます。それにもかかわらず、新築するにも用地確保ができず、既存の場所で保育園と合築することも無理があるとのことで、建て替えを断念したのです。
今回の件においても、再度問題にしなければならないと思うのは、民設民営で福祉施設を設立するときの、市の方針についてです。
市は、「どこの法人にも、土地は自前で用意するように、という市の方針を伝えてあり、今回の件についても、一切、土地の提供など考えなかった」とのことです。
わたしたちはこれまで繰り返し、民間が福祉施設を設立する際には、市は、積極的に市保有の土地を提供するなど、一番のネックとなる土地の問題をクリアできる支援をするべきだと、提起してまいりました。困難を抱える母子の自立に向けてのきめ細やかなサポートを、市と連携して担っている、いわばパートナーである市内唯一のこの施設を存続させるため、市は、土地の提供を積極的に行うという方針で臨むべきではなかったでしょうか。お答えください。
これに対して市長は「市の方針として、民間事業者に福祉施設を建設していただく際には、自前で建設用地を確保していただくことを前提にお願いをしている。したがって、今回も、市が土地を提供するという判断には至らなかった。」「 市としては、ほかの福祉施設も同様に、市の土地を提供するということはやってきていない。例えば、重度心身障がい児施設を作るにあたっても、要望は確かにあったが、市の姿勢として、市有地を提供するということはしなかった。市のそうした考え方の中で、社会事業協会がやれるか、やれないか判断した。」と、答弁。
私は、「市のこのような方針では、市とともに福祉を進めようとするせっかくの民間の意思は削がれてしまうこと」、また、「今回の廃止決定は、市側のこの方針に起因する」ことを指摘、福祉の推進をはばむものとなっているこの方針の撤回を求めました。
つぎに、2点目についてです。
2 「子ども・子育て新システム」の問題点と、市の保育のあり方について
父母が安心して働き続けることができ、どの子も健やかに育つことができるための条件づくりは、国と自治体の大切な仕事です。ところが、それを土台から崩すようなシステムを持ち込もうとする法案、「子ども・子育て新システム」関連法案が国会に上程され、現在、大きな論議を呼んでおります。この法案が通るようなことがあれば、保育を受ける権利を奪われるということも起こり得ると私は考えますので、横須賀の保育実施主体である横須賀市、その長である市長に、このシステムの問題点についての見解を伺いたいと思います。
(1)保育の実施義務を市町村からはずすことについて
私は、この新システムの最大の問題点は、保育を受ける権利を保障する土台となっている児童福祉法24条を削除し、保育の実施義務を市町村からはずすことにあると考えます。市長は、保育の実施義務を市町村からはずしていいとお考えでしょうか。お聞かせください。
ところで、保育を親の自己責任に任せ、お金で買うものとする新システムのもとでは、以下のような様々な事態を招くことが懸念されます。
(2)予想される事態への市の対応について
ア 待機児童の把握について
法案では、児童福祉法24条を削除し、かわりに「(市町村は)(保育を)確保するための措置を講じなければならない」としていますが、「確保するための措置」というのは、空きのある施設をリストアップしたり、施設を紹介したりするだけでよく、今までのように保育園に入れるところまで面倒を見る必要はない、とされています。
24条に基づいて自治体が責任をもって必要度の高い子どもから入園を決めていく従来のやり方とは大きく変わり、保育園に入れるところまで面倒を見る必要がなくなれば、待機児童の数もつかめなくなることでしょう。国会の質疑において、「入所をあきらめる人をどうやって把握するのか」という質問に対して政府は「基本的には申し出てもらう」と述べ、父母任せにする姿勢でした。本市では、どのような努力をなさるおつもりでしょうか、聞かせてください。
イ 保育の質の低下を食い止めることについて
この新システムは、自治体の保育義務を無くす一方、株式会社の参入を進めることを大きな目的としています。新システムでは、保育料や補助金を株式配当に回すことまで認めていますし、撤退も自由にできるしくみともなっています。
儲けを出すためにコストを削減すれば、保育士さんの労働条件の引き下げをもたらし、事故を引き起こす可能性も高まってしまいます。
このような保育の質の低下を防ぐために、どのような努力をなさるおつもりでしょうか。伺います。
ウ 低所得者への、市の軽減対応について
さらに新システムでは、保育園の裁量で、上乗せ料金の設定が可能になります。
野田首相は、「低所得者には上乗せ費用を免除することを要件とする」ので問題がないかのような答弁をしましたが、市場化された新システムにおいては、これを免除すれば、その分は施設側の持ち出しとなり、直接経営に響きます。また、所得の低い親は、高い上乗せ徴収がある園には初めから申し込まないという状況が当然、予想されます。高い上乗せ徴収をとる分、保育環境が整った保育園と、上乗せがない代わりに保育環境が劣る保育園が出てくるのは避けられません。また、保育料の基準はまだ決まっていません。低所得者の負担が大きくなるという声が強かったので、国は、いまの基準を元に収入に応じた制度を残すと言っています。ただし、いまの国の制度の基準でさえ、かなり高い金額であり、自治体の負担により保育料を国基準より低く抑えていますが、新システムに移行すると、自治体がその負担を続ける保証はどこにもありません。
市は、保育にかかる保護者負担の軽減のため、どのような努力をなさるおつもりでしょうか。伺います。
(3)本市から国に、法案撤回の意見を出していくことについて
ところで、法案提出者は、この新システムが導入されれば、待機児童が解消されるといいます。果たして、本当でしょうか。これまで述べてまいりましたように、この法案が通れば、逆に、満足な保育が受けられない子どもの数が増えることが懸念されます。自治体から保育の実施義務をはずし、いわば保育を商品のように扱おうとするならば、保育という商品を手に入れることができない人が増えることとなり、いま、全国の保育関係者から、新システムの導入を許すなの声があがっているのも当然のことと思います。
すべての子どもにより良い保育が行き渡るよう、本市からも、国に、法案撤回の意見を出してほしいと思いますが、そのお考えを聞かせてください。
そして、3点目についてです。
3 小児医療費助成制度の対象年齢引き上げについて
(1)拡充の姿勢が後退した理由について
これまで私たちは、繰り返し小児医療費助成の拡充を求めてまいりました。4年前に就学前まで拡充されましたが、その後は、動きがストップしたままです。3年前に「拡充します」のマニュフェストをかかげて吉田市政がスタートしたにもかかわらず、拡充が実行されないまま市長の任期4年目を迎えようとしています。「拡充します」の文言が、就任途中で「拡充のありかたを検討します」へと後退したことが影響しているのでしょうか。なぜ、このような後退をしたのでしょうか。伺います。
(2)来年度を待たず、拡充に踏み出すことについて
さてこの間、若い世代の生活実態を見ると、相当厳しくなっていることがうかがえます。総務省統計局が2007年に発表した「就業構造基本調査」を見ると、1997年と2007年の10年間に、子育て世代の所得分布が低所得にシフトしていることがわかります。20代では年収300万円台が最も多かったのが、10年後には200万円台前半にシフトしており、30代では、500万円から699万円までの層が最も多かったのが、10年後には300万円台にシフトしています。さらに、期待されていたこども手当は当初の半分の1万3千円にとどまり、それも月額1万円の児童手当へと戻ってしまいました。この、新しい児童手当を旧児童手当と比べると、年少扶養控除廃止の影響で、年収400万円台中ごろより上の世帯では、実質手取り額が逆にマイナスになっています。
また、6月5日に閣議決定された2012年度版「子ども・子育て白書」によると、理想とする子どもの数をあきらめる夫婦のうち、最も多い理由は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」とのことです。小児医療費助成の対象年齢拡大は、子育て世代の切実な要望となっており、その要望を自治体が真摯に受け止めた結果が、隣接する横浜市でも三浦市でも、この10月から、それぞれ小学校1年生まで、小学校3年生までの拡充を実施するということだと思います。本市は残念ながら、新年度当初予算では拡充はなりませんでしたが、県下19市中最低レベルとなった今、来年度を待たず、対象年齢の引き上げに踏み出すお考えはないのでしょうか、伺います。