市長の突然の移転発表から3か月後、5千筆をしのぐ署名が添えられた、再考を求める請願が議会に出され、市長の移転発表の撤回を求めてきた私は紹介議員になりました。
請願は、一人以上の紹介議員がいなければ議会で取り上げられない仕組みのため、私が紹介議員となったことで、請願は受理され、審議が開始されました。
12月4日の教育福祉常任委員会では、請願者から、三つの請願項目
1、うわまち病院移転計画を再考してください。
2、うわまち病院の改築・移転について地域住民にしっかり説明をしてより多くの住民の理解を得るよう努力してください。
3、上町地区の包括的な地域振興対策を検討・策定してください。
についての意見陳述がなされました。
請願者は、
「私たちは横須賀市の医療環境についてより良い環境になる事を望んでいます。
市立病院は横須賀市民の医療に大変重要な役割を果たしており、2つの病院が管理・維持されている努力に大きな敬意を抱いています」
と表明しながら、
「今回の移転理由の重要な点に係るところが、突然の移転発表では十分に検討されているとは思えず、今年度中に移転先決定は拙速、発表から7か月では議論が尽くされない」
と指摘し、
「うわまち病院の移転について上町地区の事情をきちんと精査して頂き、他の移転候補地と長所・短所・予算をしっかりと確認して方針の再検討をお願い致します。」
と述べられました。
ところで、市では今、施設の在り方を検討するFM戦略プランと呼ばれるものを策定中です。建替えや移転などにもどのような理念や手法で立ち向かっていくのか、市民の関心が高いところです。
前回でお伝えしたように、私は11月29日、本市の公共施設の新設・建替え・移転等に対する市長の基本理念や手法をただした際、影響を受けると思われる地域への事前の調査を行うことについて市長は、「いずれの施設においても当然のこと」と答弁したものですが、うわまち病院については、それは無いままでの発表でした。
このように、一事が万事、何も手が尽くされていないまま、移転する、ということだけを発表、移転ありきで進んでいくことは、将来のまちづくりに大きな禍根を残すことになります。
十分な事前調査や十分な住民合意を得るという、当然の道筋を経るところからやり直すべきと考える私は、請願者の意見陳述を、もっともだと思いながら聞いていました。
そして、12月14日の本会議で私は討論を行いました(以下、要旨)
請願の1にある、再考する、ということが何よりも肝心かなめであり、本当に真剣な相互間の論議の保証と確実な地域振興が実現されるためにも、1、2、3、そろっての全部採択を求めること。
そして、1を不採択にすることとセットになってしまう2、3、のみの採択には賛成できないため、「請願の一部採択」の賛否においては、反対の立場をとること。
最終的に、2,3、だけが議会で採択されることになったのですが、日本共産党も、2、3、については賛意を示しており、今後、上町地区の包括的振興策が進むための、大きなはずみになるのではないかと思います。