地域のタウン紙で御覧になったかたもいらっしゃるかと思いますが、私は、11月30日の市議会で、[三浦ふれあいの村]が公の施設ではなくなる問題を取り上げ、市長・教育長に一般質問しました。
以下は、その質疑のもようです。(わかりやすくするために、1問目も、1問1答式で編集、表示しています。文責・ねぎしかずこ)
ーーー 1問目 ---
ねぎしかずこ:
県立三浦ふれあいの村が公の施設としては廃止され、県が一定の条件のもとに施設を事業者に無償で貸しつけ、貸しつけ先事業者による運営に移行する問題について伺う。
県立三浦ふれあいの村は、横須賀市と三浦市の市境にあり、横須賀市の小・中学校を初め多くの青少年団体が活用、本市にとっては非常に身近な施設となっている。
神奈川県は、平成24年に緊急財政対策を発表し、補助金などの見直しとともに多くの県立施設の統廃合を含む見直しを打ち出した。
その中で、三浦ふれあいの村を民間移譲するという方向性が打ち出されたが、県営住宅をはじめ、生活に密着した施設や文化・社会教育施設など、余りにも多くの施設が見直しされることに多くの県民から意見が寄せられ、再検討を進めた結果、平成26年に三浦ふれあいの村は、「民間移譲を検討する」、にとどまっていた。
しかし、先ごろ県は、平成30年4月から三浦ふれあいの村を県立施設としては廃止し、現在の指定管理者であるYMCAに運営を移行する方針を示し、12月の県議会で県立施設として廃止するという条例改正をしようとしている。
YMCAが指定管理者としてではなく、運営が移行されることになれば、これまで支払われていた指定管理料の年間約1億5,000万円がなくなるため、その分が利用者負担にはね返り、利用料の大幅な値上げとなる。
すでに、 三浦ふれあいの村のホームページには、来年4月からの料金の変更が予定として掲載されているが、例えば宿泊料は、これまで小学生、中学生は1泊103円、高校生は206円、その他大人は308円となっていたが、変更案では、県内の幼・小・中・高・養・聾・盲学校が使用する場合は、幼児から大人まで一律1,300円、青少年団体は幼児から大人まで一律3,500円、一般は大人4,500円(繁忙期5,000円)、子ども3,500円(繁忙期4,000円)と大幅に増額されている。また、食費や布団、リネン代なども値上げになることから、さらに値上げは大幅になる。
このような変更については、県から市教育委員会に連絡されていたことと思うが、現在この施設を利用している市内の小・中学校などでは、今度の変更によって支出がふえるなどの影響があると思うが、どう受けとめておられるか。
教育長:
平成30年度からの施設利用料が増額になることを承知している。
ねぎしかずこ:
また、このような説明を県から受けたときに、市としてはどのような意見・要望を述べたのか。
教育長:
神奈川県教育委員会からは、平成29年8月28日付の文書により、県立三浦ふれあいの村が民間貸しつけとなり、平成30年4月から貸しつけ先事業者による運営になると決定した旨の連絡があった。
したがって、要望・意見等を述べることはできなかった。
ねぎしかずこ:
県は、三浦ふれあいの村の廃止について、12月の県議会で条例改正案を提出するとのことだが、このような状況について、施設をよく利用する青少年団体などにしっかりと説明しているとは思えない。関連団体への説明はどのようにされているのか、市として把握しているのか。
市長:
県が青少年団体への説明を行っているか否かについては把握してない。
しかし、青少年団体が利用する施設であることを考えると、県に確認して、必要に応じて市として情報提供していきたいというふうに考える。
ねぎしかずこ:
私たちは、青少年の育成の観点からも、県民の利用を促進することが大切だと考えており、移行はやめ、従来どおり県立施設として存続することが必要だと考えている。市としても県に対し、県立施設として存続するよう求める必要があると思う。
少なくとも県民、市民の意見をよく聞くことが必要と考える。今回はパブリック・コメントも行っていないとのことなので、広く市民の意見を聞くとともに、関連団体への説明と意見を聞くよう、市として県に働きかける必要があると思うが、いかがか。
市長:
県立施設としての廃止は、料金を値上げすることからも、非常に残念であると考えている。しかしながら、県の検討結果により民間貸しつけの方向性が示されたことから、市としてその方向性に対して意見等を行うことは考えていない。
ーーー 2問目 ーーー
ねぎしかずこ:
まず、三浦ふれあいの村の民間貸しつけについてだが、県がこういう決定を一方的に、私に言わせれば押しつけてきたというそもそもの姿勢が腑に落ちない。8月28日付で来た依頼書を市の教育委員会が9月5日に受けつけたと。私の周りの人にこういうこと知っているかと聞いても、いや、知らない、利用料が上がってしまうのですかと異口同音に言っている。こういうタイトな中での連絡だったわけだが、だからといって意見等を言う機会がなかったという市の姿勢に対しても、私は腑に落ちないので、その辺はもう少し御説明いただきたい。
教育長: 三浦ふれあいの村でなければ学校外行事ができないということではない。たまたまの例として言えば、学校長がそれぞれの学校行事でどのようなことを行うかということは、それぞれ校長の権限に委ねられているところだ。
したがって、例えば民間のキャンプ場が値上げしたときに、そのキャンプ場が値上げするのがおかしいというようなものを教育委員会から申すことは多分ないと思う。それと同様に、たまたま現在は廉価であるということから、三浦ふれあいの村のキャンプ場を使用していたにすぎないので、その他の代替施設がどういったものがあるかということは、私ども教育委員会からさまざまな情報提供し、各学校長が選択に困らないようにすればいいという考え方だ。
ねぎしかずこ:
一言で言って、淡々としたお答えだ。 市内の小学校では、46校中33校が使用している。それから中学校では、23中12校が利用している。遠足を初めキャンプ、野外活動、特別支援学級の宿泊学習など、県内の学校が教育活動の一環としてこのような利用したときには、利用料金は免除されている。払わなくていいことになっている。そういうふうに非常に使い勝手のいい、学校にとっても、ひいて言えば市の教育委員会にとっても、もちろん親御さんにとっても、とても近くでいいところだ。確かに、ほかの代替施設あるじゃないか、南足柄があるじゃないかとかおっしゃるかもしれないけれども、非常に交通費もかかるし、引率も大変だ。目の前に和田長浜の良好な海辺が開かれていて、非常に環境もいい。こういうようなものが今度、利用料金も取ります、遠くに行けばいいでしょうというふうな市の姿勢は納得がいかない。
運営が移行されるとするYMCAと基本締結するのはまだ来年の4月だ。しっかりと、「そういうことでは困るのだ、周知も徹底してない」と、市の教育委員会として教育活動をより充実させるためにも、言うべきことは言う姿勢を貫いていってほしいが、いかがか、もう一度伺う。
教育長:
あくまでも神奈川県において、当該施設をどのように施設利用の方法を永続していこうかという形の中での選択肢だ。したがって、私どもから神奈川県の施策のやり方について意見等を申し出るつもりは現在ない。
ねぎしかずこ:
また淡々な御答弁だったと思う。先ほども言ったように、多くの市内の学校が利用しているという現状をしかと受けとめるならば、もう口出しできないとかいう淡々としたお答えはできないと思う。
今後も市内にある、または市の近くにある県立施設が廃止されたり民間移譲されたりして利用料金が上がるというようなケースも出てくるかと思う。類似したものが出てきたときには、しっかりと対応していただきたいと思う。それは市内の子どもたち、保護者の方たちのためであるということを肝に銘じていただきたい。
市長、青少年団体への周知について、殊さらしていないというようなお答えだったかと思うが、今からでも遅くはない。この中継を県の人たちも、しかるべき人たちも見ているかもしれない、直に、青少年の人たちの気持ちを代弁する御答弁をいただきたい。
市長:
ねぎし議員の思いはしっかりと受けとめさせていただいた。今後、そういうことがあったときには、必ず県に対してそういうことでどうなのでしょうかということはお伝えすることにさせていただく。
ねぎしかずこ:
市の意見を言わせないような形で県がうまくごり押しする状況のもとではあるが、期間がなかったからという問題でも決してないと思う。今後、反省を糧にしっかりと行っていただきたい。