(ねぎしかずこ) 市長が進めようとしている施設配置適正化計画について伺います。
私たちは、この計画が、人口減少下でも住民のニーズが満たされるようなまちを施設配置面でどう図るかという、まちづくりの観点から提案されたものではなく、もっぱら30%減、17%減などと一律なコスト削減を押しつける財政面からの視点で出されたものであり、人口減少のもとでもよりよいまちづくりを目指すものでなければならないと主張してきました。市民からのパブリックコメントにも撤回を求めるものなど、手厳しい意見が数多く寄せられたところです。その後、市はこの当初案を修正、ことしの1月、新たに「市民等への説明および意見聴取」という段落を追加した計画を決定したところです。しかし、これをもって基本的な視点が変わったとは評価しがたいものです。
そこで市長に伺います。「市民等への説明および意見聴取」の段落では、「個別施設分野別実施計画の策定においては、施設利用者や地域住民などへの説明を行い、意見や提案などを聴取します」と書かれておりますが、聴取するだけなのでしょうか、それとも何かお考えでしょうか、聞かせてください。
また、市と住民の意見が違ったときにはどうするおつもりなのでしょうか。要は、住民からの意見や提案を真摯に論議の俎上に乗せ、合意を得て個別の計画を固めるという姿勢でなければ、単に市民の意見や提案を聞き置くだけになるからです。合意を得るまで論議することは、住民自治を大いに喚起し、結果、住民本位の住みよい横須賀をつくることにもなると思いますが、その姿勢で臨もうとするお気持ちはおありか、伺います。
ところで最近、この施設配置適正化計画が決定されたことで、拡充することこそ必要なものにまでそれを抑制してしまう市の姿勢が感じられてなりません。例えば、市民が認可保育所へ入園の申し込みをしても、市がそれを不承諾とする通知を出した件数が平成25年75件、平成26年104件、そして平成27年、すなわちこの4月の不承諾通知の件数が151件と2年前の倍に膨れ上がっています。
しかし、公立保育園の統廃合がいち早く進められようとしておりますし、市営住宅も倍率が高くなかなか入れない状況であるにもかかわらず、先ほどの雇用促進住宅を引き取るという試みにも手を出そうとはしないなどなどです。これではさらに子育てしにくいまち、定住しにくいまちになり、人口減少を政策面からも進めてしまうことになりかねません。市職員が自己抑制を暗に強いられ、市民要望に沿って増やしていこう、少なくとも減らすことはやめようなどと口にしづらくなるならば、市民の要求を拒む市役所になりかねません。市長は、市職員を引っ張るトップとして、市職員を萎縮させることのないようメッセージを送ってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
(市長) 施設配置適正化計画の「市民等への説明および意見聴取」の段落に対する私の考えについて御質問をいただきました。
施設配置の適正化を進めていく上では、施設を利用する方や関係者の方々との合意形成が大事であると考えています。その上で、最も意見交換がしやすい場を設けることを施設配置適正化計画に記載いたしました。しかしながら、意見の聴取に当たっては、その施設の性格や利用形態によって方法や対象となる方々も異なるため、一律にこのような方法ということは考えていません。その施設に合った合意形成の方法を検討し、実施してまいります。
次に、市と住民の意見が違ったときの対応について御質問をいただきました。
先ほども、合意形成が大事であると申し上げました。市側の意見と市民の意見が異なることも当然あると思います。まずは市民の方々の意見をよく聞いて、その意見の中にあるニーズを捉えること、そして必要であれば代がえとなる案を示していきたいと考えています。
次に、合意を得るまで議論すると、その姿勢で臨もうとする気持ちはあるかという御質問をいただきました。
当然のことですが、市側の意見を押しつけて強引に進めるのではなく、合意を得て進めていくという姿勢で臨もうと思っています。
次に、職員を萎縮させることのないようメッセージを送ることについて御質問をいただきました。
この施設配置に対する取り組みは、施設を縮減するという側面からは守りの政策のように見えるかもしれませんが、本市の将来を見据えた攻めの政策であると私は考えています。今後その考えを職員にも機会があるたびに伝えていきたいと思います。
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「市側の意見を押しつけて強引に進めるのではなく、合意を得て進めていくという姿勢で臨もうと思っています。」との市長答弁を得ましたので、これを、実際の場面で貫かせましょう。